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自発光マイクロガスライト
ボール ウォッチのアイデンティティとして知られているのが「マイクロ・ガスライト」を用いた針や文字盤インデックスです。内側に蛍光塗料を塗布したガラス管にトリチウム(H3)を充填することで発光するこのシステムは、通常の蓄光塗料にはない特徴を有しています。蓄光塗料では事前に露光させておく必要がありますが、マイクロ・ガスライトは自発光します。原理は蛍光灯と同様で、トリチウムが発する放射線がガラス管内側に塗布された蛍光塗料に作用し光を放ちます。発光は10年以上にわたり継続し、その後も少しずつ輝度は落ちていきますが発光し続けます。10年経過した後にいきなり発光しなくなるということはありません。
また明るさの比較では、従来の蓄光塗料と比べ露光直後は蓄光塗料の輝度が高いものの、数時間経過した後の明るさはマイクロ・ガスライトの輝度が高いことが分かります。蓄光塗料は時間単位で輝度が落ちてしまう一方、マイクロ・ガスライトは年単位で輝度が落ちていくからです。また現在では、蓄光塗料でも発光カラーのバリエーションが増えてきていますが、マイクロ・ガスライトではグリーン、オレンジ、ブルー、イエローなどより多くのカラーバリエーションが存在します。
マイクロ・ガスライトは夜間や暗闇の中で時刻を判読する時に最も適している夜光システムです。昼夜を問わず、四六時中自発光しているのでボタンの操作や手首を動かす等の特別な動作をせずとも時計の文字盤面だけを確認すればいいのです。1990年代にこのマイクロ・ガスライトの有効性を認めたアメリカ軍は、軍が定めるミル・スペックのMIL-W-46374Fにこれを明記し、ただちにマイクロ・ガスライトを腕時計に採用するよう要求、そして正式な軍用時計として供給されたのです。
反射防止処理済サファイアガラス
ボール ウォッチのサファイアガラス風防の内側には、陽光の乱反射を極力抑えるために一層の「無反射コーティング」が施されています。無反射コーティングとは反射を低減させて迷光をなるべく除去するために、ガラスの表面に金属質の薄い膜を作ることです。光がガラスを通過する時に大部分はそのままガラスを透過しますが一部の迷光がガラスの外側と内側に反射してしまい、透過光が弱くなるばかりか、ガラスの表面に影が映りこんでしまうのです。車のヘッドライト、室内灯、あらゆる場所において文字盤面の視認性を高めるためにこのような工夫もなされているのです。